逆に合焦前はボタンを押し込んでもシャッターは切れないピント状態優先の撮影である(設定による)。またこの動作モードの使用はピントを合わせたあと、被写体とカメラの距離が変わらないことが前提だ。

 次が動体撮影に適している「コンティニュアスAF(AF−C)」。レリーズボタン半押し中は測距を継続し、被写体をAF追従しながらの連写も可能。連写時に被写体の移動速度などからカメラが演算してピント位置を調整する機能は、「動体予測AF」や「予測駆動フォーカス」と呼ばれている。

【ピントをどのように合わせるか】シングル/ワンショットAFは静止した被写体に向き、コンティニュアス/サーボAFは撮影距離が変化する動体撮影に向くモード。ピント調整を自分の目で確かめながら操作するならMFモードだ
【ピントをどのように合わせるか】シングル/ワンショットAFは静止した被写体に向き、コンティニュアス/サーボAFは撮影距離が変化する動体撮影に向くモード。ピント調整を自分の目で確かめながら操作するならMFモードだ

 なかには被写体が静止物か動体かをカメラが検知してシングルAFとコンティニュアスAFを自動で切り替えるモードを有するカメラもある。しかし、合焦前でもレリーズボタンの深押しでシャッターが切れるため慣れないとピンボケを量産しやすい。画面内をランダムに移動する被写体を小さなAFフレームでカメラを操作して捕捉し続けるのは相応のスキルが必要なので、複数の測距点を使う領域拡大やゾーンといったAFフレームの使い方が有効となる。

【自動で被写体に合わせる最新機能】イメージセンサーをAF制御にも利用するライブビューモードやミラーレスカメラを中心に、ディープラーニング(AI、機械学習)など最新の技術でカメラが被写体を分析し、顔や瞳など細かな部位まで認識して、ピンポイントでフォーカシングする機能もある
【自動で被写体に合わせる最新機能】イメージセンサーをAF制御にも利用するライブビューモードやミラーレスカメラを中心に、ディープラーニング(AI、機械学習)など最新の技術でカメラが被写体を分析し、顔や瞳など細かな部位まで認識して、ピンポイントでフォーカシングする機能もある

文・写真=宇佐見健

※『アサヒカメラ』2020年4月号より抜粋。本誌ではより詳しくAF-Sの具体的な使い方やMFサポート機能の活用術なども加え、6ページにわたって詳細に解説している。