萩駅を過ぎると車窓には紺碧の日本海が広がった。車内では海を眺めながら、萩にまつわるクイズ大会が始まった。出題は歴史あり、自然ありのなかなか高度な内容で、正解者には萩焼の特製湯のみやぐいのみなどがプレゼントされる。「◯◯のおもてなし」というわけだ。
和風インテリアの1号車でクイズの賞品、萩焼の湯のみをプレゼントする萩市観光課の山谷義貴さん(右)とアテンダントの峰添晴子さん。この日の「〇〇のはなし」は、萩がテーマだったが、運行日によって、「川棚温泉のはなし」「鉄道のはなし」「焼き鳥のはなし」などが実施される(撮影/櫻井寛)
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和風インテリアの1号車でクイズの賞品、萩焼の湯のみをプレゼントする萩市観光課の山谷義貴さん(右)とアテンダントの峰添晴子さん。この日の「〇〇のはなし」は、萩がテーマだったが、運行日によって、「川棚温泉のはなし」「鉄道のはなし」「焼き鳥のはなし」などが実施される(撮影/櫻井寛)

 沿線こだわりの「食のはなし」も充実している。まず、左党には「萩のおつまみセット」。萩沖でとれた旬の魚介類を用いた金太郎の南蛮漬け、ちくわの磯辺揚げ、サザエ、フグのマヨネーズ和え、ミンククジラのぬた和えなど。一方、甘党には「萩のスイーツセット」。地酒の酒粕マドレーヌ、橙のカトルカール、シュークリームなどが用意されている。

 意味不明の列車だったが、乗ってみれば充実の内容である。乗車券+指定券(520円)で乗れるのも、

「◯◯のはなし」!

写真・文=櫻井寛

※『アサヒカメラ』2019年10月号から抜粋