
『アサヒカメラ』2019年9月号では、「撮った後の作業」に着目。デジタルカメラ主流の現在、撮影後の作業でパソコンは不可欠だ。デジタルではフィルムと比べて自分でやらなければならない作業が増えたが、それは自分でコントロールできる範囲が増えたともいえる。プロが解説する基本的な手順を参考に、自分流のワークフローを見つけてほしい。前回紹介した記事「撮影した写真の“整理・保管”術」に続き、撮影後のメモリーカード選びを紹介する。
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古いカードではカメラの性能を生かせないばかりか、パソコンへのコピーにも時間がかかる。撮ったあとのことも考えて、メモリーカードは最新のものを使いたい。
最新のデジタルカメラを買ったけれど、メモリーカードは使いまわし。そのような方も多いのではないだろうか。しかし、最近のデジタルカメラとパソコンの技術的進化を考えれば、メモリーカードだけ時代遅れにするのは、もったいない話だ。最新のデジタルカメラを買った人も、長く同じデジタルカメラを使っている人も、最新の高速なメモリーカードを使いたい。
高速メモリーカードが必要な理由が大きく三つある。一つは、カメラは最高速メモリーカードを使って開発されているから。高画素化が進み、4K動画が当たり前になり、ファイルサイズはどんどん巨大化している。いくらカメラ側に大きなバッファーメモリーを積んでいても、開放までの時間を短縮するには高速カードをうまく活用するしかない。

最新カメラがSDメモリーカードでもUHS-IIやXQDカードなど高速規格対応になっているのは、スペックを満たすための必然的な理由によるものだ。最適な高速メモリーカードを使わなければ、カメラの性能を十分に楽しめないというか、カメラの動作が鈍くなってしまうのである。
二つ目は、高速メモリーカードは書き込み時間が速いため処理が短時間で済み、デジタルカメラのバッテリーがより長持ちするからである。カードへの書き込み中にはカメラ電源はオンなので、いち早く書き込みを終え、カメラがスリープモードになることで電力消費を軽減できる。ミラーレス機では、電力消費の大きい電子ビューファインダー(EVF)やモニター、センサーなどに電力を消費されるので、特に重要だ。