坂の上、崖沿いの道で尾曲がり猫がガードレールに体をすりつけながら近寄ってきた
坂の上、崖沿いの道で尾曲がり猫がガードレールに体をすりつけながら近寄ってきた

3 城ケ島(神奈川県)

【三浦半島の突端で撮影】

 猫撮影旅行に行くのは難しい、という首都圏の人に向けて、日帰り猫撮影スポットをひとつ紹介しがてら訪れてみることにした。

 街なかの猫は諸事情で紹介できないこともあり(コラム参照)、せっかくのGWだからちょいと郊外へ出てみようということで、たとえば城ケ島(神奈川県)である。三浦半島の先にある島で、今は橋でつながっている。京急三崎口駅からバス、あるいはレンタサイクルで訪れることが可能だ。

 城ケ島は東西に長く、東側は城ケ島公園、西側は漁港や街となっている。猫はいろんなところにいたりいなかったり、出てきたり出てこなかったりするので、まんべんなく散策するのが吉。

 数年ぶりの訪問なのでやや不安ではあったが、公園でいきなり数匹と出会い、ほっとする。

2019年、城ケ島で4枚とも別々の場所。じっくり散策すると多くの猫と出会うことができる
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2019年、城ケ島で4枚とも別々の場所。じっくり散策すると多くの猫と出会うことができる

 人なつこい猫ばかりではないので猫を見つけてもいきなり近づくのは禁物。

 猫をおどかさないようゆっくりと近づき、まずしゃがんで小さくなるのが基本。小さくなってしばらく観察しているとその猫との距離感がみえてくる。猫撮影の基本は「猫ファースト」であることだ。

 猫がこちらを敵ではないと認識してくれないとリラックスした猫は撮れないのだ。こちらが小さくなったほうが猫は安心する。まあ人間は猫よりずっと大きいわけで、大きな動物がのしのしと近づいてきたらまず警戒するのは当たり前なのだ。

 警戒心が強い猫は遠くからそっとこちらの気配を消して撮りたい。猫が逃げたら追わない。これは鉄則。できるだけ動かないで待つ。動くときはゆっくりと、である。

 中にはこちらが小さくなると安心して近寄ってくる猫もいる。

猫の目線までカメラを下げてじっくりと近づく。カメラの前に猫がいなかったら、完全に「変な人」状態
猫の目線までカメラを下げてじっくりと近づく。カメラの前に猫がいなかったら、完全に「変な人」状態

【コラム1】猫カフェで撮影を楽しむ

 写真は「オープン型保護猫シェルター」をお借りして、「純公写」主催の猫撮影講座を行ったときのもの。猫カフェはテーブルと椅子があり、血統書のついた、人になれた猫たちと戯れる営利目的のカフェだが、保護猫カフェや保護猫シェルターは、飼い主がいなくて保護された猫の譲渡先が決まるまでのシェルターを一般に開放している場所だ。猫を飼いたいと思った人がいろんな猫と出会い、条件があえば引き取るのが第一義の場所だが、気軽に猫に触れたい、猫を撮りたい人にも好まれている。いろんな猫が自由に遊び回っているので猫保育園で猫を撮影して楽しむ、と思えば最適な場所だ。保護猫活動が進むにつれ、こういったオープンな施設も増えているので近所で探してみるとよい。


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ネコ撮影で注意したいNG事項