【コラム2】猫写真を公開するときの注意点

 地域が多くいることで有名だった江の島を訪れると、こんな掲示が目につく。2012年の「パソコン遠隔操作事件」で大きく報道されたのがきっかけだろう。とうとう「地名の記載や位置情報など場所がわかる形での公開はご遠慮下さい」と掲示せざるを得なくなったのだ。江の島に限った話ではない。ここ10年くらい、都内で猫を撮影していると、猫を世話しているボランティアの方から撮影場所がわかるような写真は公開しないでほしいといわれることが増えた。そこへ猫を捨てにきたり、逆に猫を誘拐、虐待したりするケースがあるからだという。インスタグラムには「#猫のいる場所教えにゃい」というハッシュタグもあるくらい。特に都市部の猫写真を公開するときは注意したい。

文と写真・荻窪 圭

アサヒカメラ2019年4月号より抜粋。本誌では各地の猫を撮影した21枚の写真を掲載している。