忍者、SPに扮したドライバーが送迎、心霊、G7大使館ツアーまであるタクシーとは?

2018/09/16 11:30

 三和交通の面白い取り組みはこれらだけでない。都内各所にあるG7(先進諸国7カ国)の大使館をタクシーで巡る「G7ツアー」、「3億円強奪事件ツアー」、特選の心霊スポットを巡る「心霊スポット巡礼ツアー」など様々な企画を提供している。特に心霊ツアーは、超人気企画で、4年目となる今年は、48組の募集に対して、1991件の応募が殺到した。

 三和交通がこういった奇抜な取り組みを行うのには、実は危機意識からだった。眞壁さんは、タクシー業界の現状を交えて説明した。

「タクシー業界は、基本的にドライバーは人手不足が深刻です。さらに、ドライバーが高齢化しています。神奈川県内であれば、乗務社員証を登録している記録によると、60歳以上のドライバーが6、7割を閉めます。10年後どうなるのか、このままではタクシーが半分くらいになってしまう。でも、タクシーは生活に必要です。そのためには、タクシー会社を入ってもらえるようにしなければいけません。入ってもらうためには、まず若者に知ってもらわないといけません。そのためにこういった面白い企画、若者に受ける企画をやっています」

 新卒ドライバーの確保のために、様々な面白い取り組みを行ってきた。そのおかげで、数が少なかった新卒応募者が増加した。「2年前には約20人の新卒が入りました」(眞壁さん)

 一般的なタクシー会社ではドライバーの平均年齢は60歳くらいだが、三和交通 の平均年齢は「48、9歳くらいまで若返りました」(眞壁さん)という。

 三和交通は面白い、奇抜なサービスだけを行なっているわけではない。妊婦が陣痛を始まった際に、送り届ける病院を無料登録するサービス「陣痛119番」は、年間7000件の登録がある。犬、猫といったペットとの乗車を希望する人向けの「ペットタクシー」は、利用が多く、「海外からわざわざ連絡してきて利用する外国人もいます」(眞壁さん)。

 眞壁さんや小関さんから話を聞き終わったタイミングで、記者の乗った忍者タクシーが同社に戻った。

 忍者姿やSP風の姿のドライバーは、やっぱり見ているだけで面白い。現状、利用する外国人観光客はほぼいないというが、彼らも楽しめるはず。

 また、硬軟交えた同社の取り組みは、タクシーに対する固定イメージを打ち破っているのは間違いない。今後も注目だ。(本誌 大塚淳史)

※週刊朝日オンライン限定記事

1 2 3

あわせて読みたい

  • 運転手が“コンシェルジュ”? 生き残りをかけたタクシー業界の「サービス革命」

    運転手が“コンシェルジュ”? 生き残りをかけたタクシー業界の「サービス革命」

    dot.

    7/19

    「忍者」は現代のビジネスパーソンの教科書だ

    「忍者」は現代のビジネスパーソンの教科書だ

    AERA

    8/5

  • 大野智が新作映画で見て欲しいのは「一瞬だけ映る…」

    大野智が新作映画で見て欲しいのは「一瞬だけ映る…」

    dot.

    7/10

    “変すぎる”ホテルにあった、外国人観光客を呼び込む「ヒント」

    “変すぎる”ホテルにあった、外国人観光客を呼び込む「ヒント」

    dot.

    8/26

  • 70~80代「白タク」で月収100万円も 手口を元交通警官が解説

    70~80代「白タク」で月収100万円も 手口を元交通警官が解説

    週刊朝日

    12/1

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

コメント

カテゴリから探す