3万円を超える日経平均株価を示すボード=5月19日、東京都中央区
3万円を超える日経平均株価を示すボード=5月19日、東京都中央区
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 昨年12月31日、AERA dot.編集部は「日本経済は30年ぶりにデフレ脱却して成長軌道に 『日経平均は年末に3万円を予測』の真実味」という記事を配信したが、それから半年もたたずに「3万円超え」は現実のものとなった。この株高は日本経済の実態を反映した「本物」なのか。株価上昇の理由や不安材料について、再びJPモルガン証券のチーフエコノミスト、藤田亜矢子さん聞いた。

【図表】雇用・賃金など、この10年間の日本経済の主な変化は

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 年明け2万5000円台だった日経平均は5月17日、終値で3万円を超えた。「一気にきましたね」と、藤田さんは振り返る。

 この株高は実体経済を反映したものなのか?

 それとも日本株へ資金が流れ込む別な理由があるのだろうか?

 筆者の問いに対して、「両方だと思います」と藤田さんは答える。

「やはり今、日本経済は好調なんですね。その要因がアフターコロナのペントアップ需要、いわゆる『リベンジ消費』です。訪日観光客もすごく増えていて、経済成長に寄与しています。これはなかなか珍しいケースです」

 これまで日本の景気循環は製造業の業績とほぼリンクしてきた。ところが今回は、「コロナ明け」という特殊要因によって経済が成長軌道に戻ってきた。

■相対的に力強い日本経済

 2023年第1四半期の実質GDP成長率(1次速報)は前期比年率1.6%と、市場予測0.8%程度を大きく上回る伸びとなった。それをけん引したのがプラス0.7%の内需で、マイナス0.3%の外需とは対照的だ。

 個人消費はインフレによる実質所得の減少にもかかわらず、前期比年率2.4%の伸びとなった。

「昨年から物価が大きく上昇しましたが、個人消費が生活防衛のようなかたちで腰折れするようなことはありませんでした。みなさん、コロナ禍で外出して消費をする機会が少なかったので、その間に『過剰貯蓄』が生まれた。それが世の中に出てきて、ペントアップ需要につながっています」

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実質的に大幅な金融緩和