ジメジメする梅雨の季節も健やかに過ごしたいですね ※写真はイメージです (c)GettyImages
ジメジメする梅雨の季節も健やかに過ごしたいですね ※写真はイメージです (c)GettyImages

 気持ちのいい春の季節が終わると、やってくるのは梅雨の季節。ジメジメ不快で嫌な方は多いのではないでしょうか? そんな梅雨の季節を少しでも快適に過ごすには、いくつかポイントがあります。この記事では、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学である「中医学」をもとに、梅雨に起こる不調の原因を分かりやすく説明します。また、手軽に取り入れられる食養生など、改善ポイントもお伝えします。

【図版】五行説 薬膳や漢方治療の指針となる五行色体表

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■ 湿気はさまざまな不調の原因に

 ジメジメとした梅雨の季節は、なんとなく身体の重さやだるさを感じたり、食欲がなくなったりと、天気と同じように体調もすっきりしないことが多いもの。中医学では、このような湿気が多い時期の体調不良を「湿邪(しつじゃ)」と結びつけて考えます。

 湿邪は外から入ってくる「外湿(がいしつ)」と、体内から生じる「内湿(ないしつ)」に分かれ、いずれも身体にさまざまな不調を引き起こす原因となっています。身体のだるさや鈍い痛み、水分の停滞によるむくみ、胃の不調といった症状が現れますが、その症状は治りにくく、ズルズルと長引くこともあるため注意が必要です。

【チェック】梅雨の健康は「湿退治」がポイント

 湿邪による体調不良には「外湿」と「内湿」の2つの原因があります。外湿と内湿では症状が異なりますので、自分がどちらに当てはまるか見きわめた上で、毎日の食事を少し工夫して湿邪を退治しましょう。

【対策1】ジメジメした日は要注意 身体の外から入ってくる!「外湿」対策

<気になる症状>
頭や体が重い、むくみやすい、皮膚のトラブル、尿のトラブル

<改善ポイント>
毎日湿邪を発散して、ためこまない

 湿気の多いジメジメした季節は湿邪が身体に入りやすくなり、さまざまな不調が現れます。では、身体が湿邪に侵されると、どのような症状が現れるのでしょうか。

 まず、湿邪には重いという特徴があり、頭や身体が重い、頭がすっきりせず身体の動きが鈍くなる、といった症状が現れます。普段から血行が悪く、水分代謝(水分の排出がスムーズにされないこと)が良くない人は注意してください。水分代謝がさらに悪化して、身体のむくみが普段より強く出ることがあります。

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梅雨は肌や下半身のトラブルが起きやすい