「自分の基準が当たり前」と思い込むと、相手の無理解にイラッとして「わかってくれないのはおかしい」というような言葉が出てくるのです。
また、それぞれのスタンダードを認めないことで「私にはぜんぜん理解できない」という発言になります。夫婦間に限らず「自分の基準=価値観」を無意識に他人へと押しつけることで生まれた軋轢が、ハラスメントになることもしばしばあります。
良好なコミュニケーションのためには、一人ひとりが互いの価値観を認めることを意識したいもの。
「そういう考え方も確かにあるね。私はこう思うけどな」と、まずは相手の言葉を受け止めたうえで、自分の気持ちを表現しましょう。そうすればたとえ意見が対立しても、相手を尊重しながら言葉のキャッチボールができるはずです。
■「(忙しそうな姿を見ても助けてくれないパートナーに)少しは手伝ってよ。私ばかり動いてバカみたい!」「いない方がマシ」はNG
相手に協力を求めるときは感情のままに責めるのは逆効果。
「掃除していて手が離せないから、ゴミ捨てをお願い!」のように「何をやってほしいのか」を具体的に伝えましょう。
その際、相手が納得して手伝ってくれるよう、DESC(デスク)法で働きかけましょう。DESC 法とは、自分の要望を整理して、わかりやすく相手に伝える方法のこと。
(1)現状を言う。
(2)自分の気持ちを伝える。
(3)具体的にお願いする。
(4)(3)が無理なときは代替え案を提案する。
という、4つの段階に分けて考えるのが特徴です。
例えば「ゴミ出しを手伝ってほしい」という要望なら、
(1)私が毎日ゴミを出している。
(2)家事が多すぎてきつい。
(3)ゴミ出しを週4日助けてほしい。
(4)それが無理なら週2日だけでも。
という伝え方をします。相手が(3)で断っても、(4)でハードルを下げておくことで「今度はOKしなくては」という心理が働き、最終的には要望が通ることが多いようです。(4)でこちらが譲歩するのがカギです。
(構成 生活・文化編集部 岡本 咲)