東京ドームで開催された試合は想像以上の盛り上がりを見せたWBC
東京ドームで開催された試合は想像以上の盛り上がりを見せたWBC

 今月8日に開幕したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。史上最強との呼び声もある侍ジャパンが前評判通りの強さを発揮し、異常なほどの盛り上がりを見せている。

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 日本時間の明日21日には準決勝(対メキシコ代表)が行われるが、既に日本国内だけを見れば成功と言ってもいいほど大会は盛況だ。だが、毎回ではあるがWBCはサッカーのワールドカップなどと比べるとまだ歴史の浅い国際大会であり、開催のたびに様々な議論がなされている。

 そして、毎回話題となるのが“出場することの意義”について。今回も1次ラウンドのプールDで行われた試合でプエルトリコ代表の守護神エドウィン・ディアス(メッツ)が今季絶望とも報道されている大怪我をしたことで再び議論が噴出。オフにディアスが5年1億200万ドル(約134億5000万円)の大型契約を結んでいたこと、さらに試合中ではなく勝利後にチームメイトと歓喜していた際の負傷であったことから、米国の野球ファンたちから多くの意見がネット上に書き込まれている。

 最も多い反応はMLB球団側も懸念している主力の怪我に関してだ。米国の『Yahoo Sports』に掲載されたディアス負傷のニュースに対しては「これだからメジャーは高給取りの選手をWBCに派遣するのを心配しているんだ」というものや、「自分はWBCのようなトーナメントにはどのMLBプレイヤーも参加するべきではないと思う。出場するのは有望なマイナー選手、大学の選手、引退したメジャーリーガーもいいかもしれない。特定のチームで保証された契約がある場合は、それが切れるまでは所属するチームに全てを捧げるべきだ」と、怪我のリスクがあるイベントにメジャーリーガーは参加すべきでないというコメントが目立った。

 中には「このトーナメント(WBC)はMLBと(コミッショナーの)バド・セリグが作ったものだから、ワールドカップのようにメジャーリーガーがプレーすることができるはずだ」というものもあったが、これは少数派。大会前もWBCは米国ではあまり盛り上がっていないという報道も毎回のように出てくるが、故障者が出たことで現地ファンも再びWBCに対する抵抗感が出てしまったように感じる。

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“米国都合”の開催には反対の意見も