スポーツ紙デスクは、「相手もタイミングを外したり、変則フォームの投手をつぎ込んだりしているが大谷を抑える術がない。1番のヌートバー、2番の近藤が好調のためチャンスで回ってくる打席が多いが、準々決勝以降は走者が一塁にいる状況でもまともに勝負してこない可能性がある。走者がいなくても敬遠されることを想定する必要がある」と指摘する。

 カギを握るのが、大谷の後を打つ4番の村上宗隆だ。1次グループ4試合で14打数2安打。チェコ戦、豪州戦と2試合連続で安打は出ているが、まだ本来の状態ではない。豪州戦では4回無死満塁の好機で3球連続スライダーで空振り三振。この4試合で村上に1本が出ていれば、大量得点というケースが目立つ。好機で打てなければ目立ってしまうのは、4番の宿命と言える。

 準々決勝はプールAを2位で勝ち上がったイタリアに決まった。このグループはキューバ、イタリア、オランダ、パナマ、台湾と出場5カ国が2勝2敗で並ぶ大混戦に。順位決定戦方式で失点数の少なさで順位が決まり、1位・キューバ、2位・イタリアとなった。

 スポーツ紙記者は、以下のように分析する。

「個々の能力の高さで言えば、侍ジャパンの方が上です。イタリアは当然力の差は認識している。だからこそ奇襲を仕掛ける可能性がある。その一つが大谷の全打席敬遠です。その可能性を下げるためにはヌートバー、近藤が出塁し、大谷の後を打つ村上が走者をかえす役割をきっちりこなすことです。負けたら終わりのトーナメントは何が起きるか分かりません。村上の状態が厳しいようだったら、山川穂高を代打に送るなど思い切った采配も必要になってくる」。

 覇権奪回へ。ここから本当の勝負が始まる。(今川秀悟)