「ただ、特に突然移住してきた方については、地元住民も、その方がどんな人でどんな仕事をしているかも分からず、どう声をかけて良いか分からない。それが移住者にとっては『品定め』のように感じてしまうのだと思いますが、池田町で暮らすなら、そうしたことはつきものですよ、とちゃんと明示しようという考えを、あの文面に込めました」

 提言について、町には、福井県外の人からと思われる苦情が寄せられているという。

 文言を“よそ者の排除”のように不快に感じる人もいるかもしれない。ただ、良い面ばかりをアピールするのではなく、その土地の生活の「ありのまま」を正直に伝えようとした池田町の姿勢にも、意味はあるはずだ。

(AERA dot.編集部・國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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