ここ数年、三菱地所、カゴメ、ヤフー、ライオンなど、副業OKの企業が増加している。ダブルワークが身近になり、将来を見据えて「自分も副業、兼業をしたい」と思っている方も多いのではないだろうか。
今回紹介する芦名みのるさんは、なんと“獣医師にしてアニメーション監督”。茨城県つくば市で動物病院を経営し、獣医師として動物の診療にあたる一方、『劇場版 異世界かるてっと』『夜は猫といっしょ』といった話題のアニメ作品を次々に生み出している芦名さんに、これまでのキャリアと独自の仕事論について聞いた。
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子どものころからマンガ好きだったという芦名さんがアニメ制作を始めたのは、大学の獣医学部に通っていた2000年代前半。当時インターネットで流行っていたFlashアニメ(動画制作ソフトFlash※現Adobe Animateで作られたアニメ)を作り始めたのがきっかけだ。
「獣医師になる勉強をしながら、趣味でアニメを作っていたんです。獣医師として動物病院に勤務し始めてからも、映像制作をなんとなく続けて、オフラインイベントなども主催してました」
■動物病院開業とほぼ同時期に本格的なアニメ制作をスタート
2007年に関西から茨城県つくば市に引っ越し、「つくばみのぷう動物病院」を開業。ほぼ同じ時期、アニメ仲間とともにプロとしての本格的なアニメ制作をスタートさせた。
「もともと、夜間救急診療もやりたかったのですが、小さく始めた動物病院だったのでスタッフも揃えることができなくて、そんなとき、深夜にインターネットのチャットを覗いてみると、アニメの仲間はみんな起きてるぞと(笑)。じゃあ、彼らと一緒にアニメを作ったらいいじゃんと思い、今も一緒にやっている作画監督の“たけはらみのる”とアニメ制作ユニット『スタジオぷYUKAI』を立ち上げました」
どちらの仕事に対しても、独自のスタイルを持っている芦名さん。獣医師としてのポリシーは、「飼い主さんによって態度を変えないこと」だという。