初戦の日本代表戦で敗れたドイツ代表の選手たち(MEXSPORT/アフロ)
初戦の日本代表戦で敗れたドイツ代表の選手たち(MEXSPORT/アフロ)

 歓喜の大金星に沸いたドーハの地と日本列島。戦前は“2強2弱”と予想されていたグループEだったが、日本のジャイアントキリングによって様相は一変。第1戦を終えて1位・スペイン(勝点3、得失点差+7)、2位・日本(勝点3、得失点差+1)、3位・ドイツ(勝点0、得失点差-1)、4位・コスタリカ(勝点0、得失点差-7)となり、第2戦の結果次第で一気に“死の組”となる可能性が出てきた。

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 改めて状況を整理する。続くグループステージ第2戦(日本vsコスタリカ、スペインvsドイツ)で、日本がコスタリカに勝利すれば、スペインがドイツに勝利もしくは引き分けで、日本のベスト16進出が決定する。例え日本がコスタリカと引き分けたとしても、スペインがドイツに勝利すればドイツの敗退が決定。残り1枠を得失点差で現在8点の差がある日本とコスタリカとの争いとなり、日本は最終戦でスペインに敗れたとしても高確率でベスト16に進出できる。

 だが、日本がコスタリカに勝利しても、ドイツがスペインに勝った場合が問題。一時的には日本がグループ首位に立つが、最終戦で日本がスペインに敗れれば勝点6で3チームが並ぶ可能性が高くなる。その場合、スペインはすでに得失点差+7という大きなアドバンテージを持っており、ドイツも最終戦ですでに敗退が決まったコスタリカ相手に試合開始前から「○得点以上」という明確な目標を持って攻撃的に戦うことができる。日本は次戦のコスタリカから大量得点を奪って勝利できればベストだが、それ以上に「スペインvsドイツ」の結果が日本の命運を握っているとも言える。

 2010年にW杯初優勝を飾ったスペインと2014年に4度目のW杯優勝を果たしたドイツ。両者の過去の通算対戦成績は、ドイツ8勝、スペイン9勝、引き分け8でほぼ互角だ(西ドイツ時代も含む)。だが、ドイツが統一後のW杯に限ると過去2度の対戦で、スペインの1勝1分。1度目は1994年アメリカ大会のグループリーグで、スペインがゴイコエチェアのゴールで先制するも、ドイツがクリンスマンのゴールで追い付いて1対1のドローとなった。

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スペインは近年ドイツを圧倒