巨人・原辰徳監督
巨人・原辰徳監督

 5年ぶりのBクラスに沈んだ巨人。V奪回に向け、今オフにコーチ陣を刷新した。大久保博元1軍打撃チーフコーチ、阿波野秀幸1軍投手チーフコーチ、鈴木尚広1軍外野守備兼走塁コーチを招聘。川相昌弘ファーム総監督が1軍総合コーチに就任した。

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 スポーツ紙デスクは、危惧を口にする。

「コーチ陣を見ると豪華な顔ぶれですが、大きな懸案事項が解消できていない。投手陣は山崎伊織、堀田賢慎、赤星優志ら若手を我慢強く起用したが、一本立ちするにはもう少し時間がかかる。絶対的エースだった菅野智之はピークを越えた感があるので、先発投手が補強ポイントだが、FA市場は野手ばかり。新外国人投手も未知数です。原監督はリーグ優勝8度、日本一3度達成した名将ですが、満足な補強ができないようだと、来年もBクラスに低迷する可能性はあります」。

 原監督は2次政権の2010、11年に共に3位に終わり、2年連続V逸を味わっている。そこで、11年オフに大型補強を敢行。ソフトバンクから杉内俊哉、横浜(DeNA)から村田修一をFAで補強した。さらに、11年に19勝で最多勝に輝いたソフトバンク・ホールトンの獲得にも成功。翌12年は杉内、ホールトンが先発ローテーションで1年間回り、共に12勝をマーク。2人合わせて計24勝の上積みは大きく、3年ぶりのリーグ優勝を飾った。

 当時の巨人を取材したスポーツ紙記者が振り返る。

「あの年は主砲として期待された村田が打率.252、12本塁打と期待外れの成績に終わった。ソフトバンクのエースだった杉内、ホールトンの加入が大きかったんです。先発陣は内海哲也がチームトップの186イニングを投げたのを筆頭に、杉内、ホールトン、澤村拓一も150イニング以上投げている。救援は3連投が珍しくなく、山口鉄也が72試合、西村健太朗が69試合登板した。チーム防御率2.16はリーグトップ。改めて投手力の重要性を感じさせられましたね」

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