また、急速に進む円安の影響で、多くの食材や日用品が値上がりし、家計を直撃している。

「日銀は外貨準備を切り崩し、円安が進まないよう為替介入しましたが、焼け石に水の状態です。経済評論家の藤巻健史さんは1ドル500円を超えるという見立てまでしていますが、もしそこまで円安が進めば、日本経済が立ち行かなる可能性があります」(望月氏)

 女性の「岸田離れ」は経済対策への不満に限らない。

 寺田稔総務相の政治資金問題や山際大志郎前経済再生相の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との蜜月関係など、閣僚のスキャンダルが次々と発覚する中で、岸田首相の対応が煮え切らないことにも女性は失望している、と望月氏はみる。

「特に山際氏について、閣僚辞任直後に自民党の新型コロナウイルス対策本部長に就任させた人事には、失望した人が多かったと思います。これは自民党の萩生田光一政調会長の判断で行われた人事のようですが、旧統一教会と結びつきが強いと言われる萩生田氏の“配慮”のようにも見えますし、岸田首相への牽制の意味合いもありそうです。しかし、岸田首相は『党の人事は本人の経歴や経験をふまえて判断した』と曖昧なことしか言わない。こういう姿勢は首相としての頼りなさを感じます」

 また、過去にLGBTなどの性的少数者について「生産性がない」などと主張していた杉田水脈衆院議員を総務政務官に就けたことにも疑問を感じるという。野党議員からは杉田氏に対して、過去の主張について謝罪や撤回を求められたが、杉田氏は応じていない。

「野党議員から過去の発言を追及された委員会では、杉田氏は『差別する意図はなかった』と繰り返すばかりで、頑として謝罪、撤回は拒否しました。また、杉田氏は過去に性暴力被害の相談事業について語るなかで、『女性はいくらでもうそをつけますから』と発言したこともある。こういう考えを持った女性議員を政府の要職に就ける岸田政権の姿勢は、ひとりの女性として、私も非常に疑問を感じています」(望月氏)

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若者の不安は「就職」と「所得」