連続ドラマ「silent」(フジテレビ系)が、SNSを中心に視聴者から大きな反響を呼んでいる。同作は川口春奈演じる主人公の青羽紬が、Snow Manの目黒蓮演じる元恋人の佐倉想と「音のない世界」で再会するラブストーリー。原作はなく、脚本家・生方美久氏がドラマのために書き下ろした完全オリジナルだ。
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生方氏は群馬県出身の29歳。大学卒業後に看護師を務め、ミニシアターでアルバイトをする傍ら、脚本を学んだという。昨年に「踊り場にて」でフジテレビヤングシナリオ大賞を受賞。同作品はプロのバレエダンサーを夢見て海外に挑戦したが挫折した過去を持つ女性教師が主人公だ。無気力なままバレーボール部顧問を務めていたが、夢に向かう生徒たちの姿に自分の生き方を見つめ直す。瀧本美織の主演で映像化され、話題を呼んだ。「silent」は連続ドラマで初作品。新進気鋭の脚本家は大抜擢の期待に応え、評価を大きく高めた。
動画配信サービス『TVer』で再生回数の推移をみると、その勢いはすさまじい。第1話が443万再生を記録。この数字はTVerで過去に配信された民放全ドラマの配信後、1週間の見逃し配信再生数で歴代最高だった。第2話が489万、第3話も485万、第4話で582万とさらに大きく更新した。ツイッターでも、初回放送から5週連続で国内トレンド1位に。今週放送された第5話では4度目の世界トレンド1位を獲得した。
週刊誌でテレビ番組の連載コラムも持つライターの吉田潮さんは、同作品についての魅力をこう語る。
「揺れ動く感情の機微をセリフ、しぐさでものすごく丁寧に表現しているのが印象的です。脚本家の生方さんが登場人物全員を愛してやまない思いが伝わってくる。奇をてらった展開はなく、自然な会話のやりとりをずっと聞いていられる。私も何度も繰り返し見て、ノートにセリフを書いてその意味を考えています」
役者の演技力も目を見張るものがある。