さらに辻さんはどれほどのリスクに耐えられるか、顧客に尋ねるという。

投資信託の価格は変動します。例えば、100万円のお金が50万円になっても大丈夫、という人がいれば、50万円になったら夜も眠れません、という人もいます。その人がどれくらいの値下がりに耐えられるか、確認します」

 運用年数、利回り、リスク耐性、この三つがわかれば、「先ほどの700種類以上の投資信託が5種類から10種類までぎゅっと絞られる。後は証券会社に支払う信託報酬がいくらなのか、過去の運用実績がどうなのかを調べて、最終的にどの投資信託がいいのか、判断すればいいわけです」

外貨預金はシンプル

 辻さんは続ける。

「自分の中に『こんな理由で購入した』という明確な理由を持っておかないと、今のような不安定な相場になると、不安な気持ちになり、せっかく購入した投資信託を手放したくなってしまうものです。ドル建ての資産を持ってお金をきちんと育てていくのであれば、ある程度、相場が動いても保有し続けなければいけません。そのためには、一番初めの段階でゴールをきちんと決めておくことがとても大切です」

 ちなみに、投資信託はまとまったお金がなくても購入できるという。

「証券会社によっては月々100円から積み立て購入できます。初心者にもやりやすい方法として『つみたてNISA(少額投資非課税制度)』もお勧めです」

 逆に投資信託のデメリットは何か?

「購入するときに手数料を支払う必要があります。これは同じ商品でも証券会社によって異なります。あと、先ほども少し触れましたが、保有している間は信託報酬というコストがかかります。ただ、信託報酬に見合う利回りが出ていれば問題ないでしょう。投資信託は永遠に続くものばかりではなく、償還といって期限が来ると終了してしまう場合があるので、注意が必要です」

 次にドル建ての資産を保有する方法としてお勧めなのが外貨預金だ。銀行で「外貨預金口座」を開設し、ドルで預金する。

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ドル建て保険とは?