ジャーナリストの周来友氏はジャッキーの「思想」についてこう分析する。
「ジャッキーは、よくネット上で『戯子(宮廷道化師に似た中国での芸能人の蔑称)』と揶揄されていますが、本来、戯子に政治的な発言を求めてはいけないのです。実は彼自身はもともと思想信条や理念はなく、その時々で態度を変えてききました。以前、彼が親日家だったのは、日本に経済的パワーがあり、チヤホヤしてくれるファンも多かったから。今はそれが中国に変わったというわけです。一方で、何事も人脈で動く中国社会と彼の性格の親和性が高かったという面もあります。同世代の香港の俳優・チョウ・ユンファなどが中国的なコネクションで物事が動くことに嫌気が差し、一線を引いて中国と付き合っているのとは対照的ですね。ジャッキーには中国の水が合ったということです」
往年のジャッキーを知るファンは「これ以上晩節を汚さないで」と願っているに違いない。(山重慶子)