スポーツ紙デスクは、
「パ・リーグは熾烈(しれつ)な優勝争いが繰り広げられていますが、日本ハムは最下位で蚊帳の外。新庄監督は当然悔しい思いがあるでしょう。でもその感情より、パ・リーグに目を向けてほしいとテレビの視聴者に呼びかけてくれた。日本ハムだけでなく、プロ野球全体のことを考えて行動していることが伝わっているから支持を得られたのだと思います」
との見方を示し、
「シーズン前からメディアに積極的に露出していますが、日本ハムだけでなく、パ・リーグ、プロ野球界にとっても大きなプラスになっています。黙っていてもお客さんが球場観戦に来る時代ではないですから」
と今回の生出演も評価する。
一方で、本職の野球の実力についてはどうなのだろうか。
若手中心の日本ハムはまだ発展途上のチームだ。だが、確実に成長している。新庄監督は走塁、守備に関しては誰よりも厳しい。緻密(ちみつ)な野球を追い求める一方で、積極的なミスをした選手はかばう。
こうした日本ハムについて、他球団のスコアラーは、
「日本ハムは対戦していてやりにくいですよ。色々な奇襲を仕掛けてくるので気が抜けない。シーズン当初は奇抜な作戦で失敗も少なくなかったが、試合を重ねるにつれて選手たちのスキルが上がって成功率が上がっている。今年は色々な選手を使って力を見極めている段階だと思います。来年は勝負にこだわって起用する選手もある程度固定するでしょう。台風の目になる可能性は十分にあります」
と警戒する。
新庄監督の予言通り、パ・リーグの優勝争いで日本ハムが鍵を握るチームであることは間違いない。残り試合が少なくなってきたが、驚きの一手を仕掛けてくる可能性はある。まだまだ「新庄野球」から目が離せない。
(梅宮昌宗)