2017年4月、自民党の北朝鮮による拉致問題対策本部・山谷えり子本部長から申し入れ書を受け取る安倍晋三首相。右は加藤勝信拉致問題担当相(いずれも当時)
2017年4月、自民党の北朝鮮による拉致問題対策本部・山谷えり子本部長から申し入れ書を受け取る安倍晋三首相。右は加藤勝信拉致問題担当相(いずれも当時)

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係についてかねて指摘されていた、自民党の山谷えり子元拉致問題担当相。9月8日に党が、旧統一教会と関係があった議員について氏名を公表した資料には名前がなかった。しかし、以前、国政選挙で山谷氏の事務所に応援に入ったという元信者の記録を見ると、関係が深いとすら思えるのだが。

 山谷氏は現職の参議院議員(比例区)。旧統一教会の友好団体が発行する「世界日報」に登場したり、過去の選挙で重点候補として支援を受けていたりしたと、8月初旬にメディアで報じられた。

 旧統一教会を長く取材しているジャーナリストで前参院議員の有田芳生氏も、

「山谷えり子さんは統一教会の重点候補でした。長い長い付き合いがあることは、多くの信者たちが証言しています」

 などとSNSで発信をしている。

 それでも山谷氏は旧統一教会との関与や教会からの選挙支援を否定していたが、AERA dot.編集部は、旧統一教会の元信者の女性Aさんが2003年11月の山谷氏の選挙の際に、どのような支援をしたかについて詳細を記録した

<山谷えり子 選挙応援の記憶>

 という文書を入手した。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会の加納雄二弁護士によると、

「旧統一教会の霊感商法などの被害にあい、私のところに相談に来た女性信者が書いたものです。被害などの詳細もしっかりしており、Aさんが脱会と返金を訴えると、教会側がカネを払うということで和解しました」

 と話す。A4サイズ3枚に、2003年の衆院選で、当時、保守新党だった山谷氏への選挙応援の模様が細かく書かれている。

<祈祷会後のことだった。「明日一日フリーの人で選挙の応援に行ける人!」を募集され私は手を上げた>

<み旨のためにどうしても当選しないといけない方らしい>

 翌朝、連れられて行ったのが東京都内にある、山谷氏の事務所だった。

<ぞろぞろと応援が来た。その中に武蔵野青年部のメンバーも4名ほどいた>

<出発前にアベルから「教会の名前はあかさないで」と言われてきた>

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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山谷氏の顔すらも知らずに選挙支援に行った