今季限りで退任する阪神の矢野燿大監督
今季限りで退任する阪神の矢野燿大監督

 シーズン真っ只中ではあるが、矢野燿大監督が今季限りで退任する阪神は、既に来季の指揮官探しも始まっている。監督経験者を筆頭に球団OBから選ぶという基本方針は従来と変わらないが、チーム強化とともに球団に“新たな風”を吹き込む人材が期待されている。

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 今年の阪神は開幕から9連敗を喫するなど大きく躓いたが、ここにきて調子が上がって来た。

「顔ぶれを見れば負け続ける方がおかしい。投手陣では西勇輝、青柳晃洋、ウィルカーソンらを軸とする先発陣の安定感は抜群。ブルペン陣もクローザーが決まらない懸念はあるが、湯浅京己などが高いパフォーマンスを発揮している。攻撃陣も近本光司は安打を重ね、大山悠輔、佐藤輝明という打線の核もある。普通にやれば勝てるし怖いチーム」(在京球団編成担当)

「チーム戦術ではなく個々の力で戦っている印象。連勝連敗が多いのは選手の調子よって勝敗が左右されるから。攻撃陣に関しては調子に応じてオーダーを組み替えるなど、定形がない。矢野監督は今年いっぱいで辞任するので、育成は念頭になく目先の勝利にこだわっているはず。現在の結果も納得できる」(阪神担当記者)

 序盤に負けが込んだ際にはシーズン中での「解任論」も巻き起こったが、矢野監督は指揮を執り続けた。チーム状態は好転の兆しを見せるが退任は決定事項。当然、来季以降に誰がチームを指揮するかの人選も進んでいる。

「球団OBに越したことはないが誰がやっても大きな変化は起こりそうにない。野村克也、星野仙一などのような大改革ができる監督は見当たらない。外様や外国人監督を招聘するのも1つの策かもしれない。勝つことはもちろん球団に染み付いた負け犬根性を払拭して欲しい」(阪神OB)

 かつて阪神では99~01年に野村氏、02~03年には星野氏と「外様監督」を招聘した。野村はグラウンド外での問題もあり志半ばで退任となったが、引き継いだ形の星野の下、03年にはリーグ優勝を果たした。チーム改革が進み常勝チームに生まれ変わる予感もあったが、05年を最後にリーグ制覇から遠ざかっている(14年にはリーグ2位からCSを勝ち抜いて日本シリーズに出場)。

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外国人指揮官はありか?