■10代からの圧倒的支持

 一方、「このまま天才子役のイメージで終わるのはもったいない」と言うのは、スポーツ紙の芸能担当記者だ。

「愛菜ちゃんが実家のある兵庫県の小学校に通っていた頃、当然ながら彼女は関西弁でした。そして、お母さんと新幹線で東京の収録現場に通うことになるのですが、名古屋を過ぎて東京が近づくにつれ、どんどんキレイな標準語になっていったというエピソードが本人から語られたことがあります。映画やドラマの制作スタッフからも、歴代の天才子役の中でも、女優としてのセンスは群を抜いていたという声はよく聞きます。愛菜ちゃんの読書量は小学校時代から年間60冊を超え、中学になってからは年間300冊以上を読み続けているとか。学生として相当優秀であったのは明らかです。つまり、愛菜ちゃんは学業が優秀すぎるあまり、芸能活動続行が難しくなりつつある。いま、神木隆之介や伊藤沙莉など元子役たちの再ブレークで、“子役は短命”という芸能界のジンクスが崩れつつある。愛菜ちゃんには元天才子役の代表として、ぜひこの流れをリードしてほしいですね」

 TVウオッチャーの中村裕一氏は芦田愛菜についてこう述べる。

「マーケティング会社が4月に発表した高校生を対象にしたアンケートの『同世代で憧れている、目指している人』部門で、人気ユーチューバーと彼女が同率1位だったことが大きな話題を呼びました。また今月発表された、現役高校生対象の『人生相談したい芸能人』というリクルートの調査でも、マツコ・デラックスやひろゆきを抑えて堂々の1位に輝きました。それだけ若い世代が注目する存在なのです。もはや単なる『子役出身』という肩書を超越しつつあることは間違いないでしょう。俳優やタレントとしてさらなる活躍を望む声が非常に多いとは思いますが、このまま芸能界から潔く去ったとしても、それが伝説となり、彼女の名前は末永く私たちの記憶に刻まれるのではないでしょうか」

 彼女の才能がこのまま消えゆくのはあまりにも惜しい。大人になった芦田愛菜の覚醒を期待せずにはいられない。(藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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