世界でも活躍するMMAファイターの堀口恭司(写真/gettyimages)
世界でも活躍するMMAファイターの堀口恭司(写真/gettyimages)

 3月20日『RIZIN.34』では地元・大阪の萩原京平を弥益ドミネーター聡志が撃破。1R、腕ひしぎ三角固めで切って落とした。弥益は筑波大学大学院の修士課程を終了し、大手食品メーカーに勤務しながら戦う“インテリファイター”。とかく野性的と思われがちな格闘技界だが、2月にはKrushで東大卒の松本篤人と慶応卒の斉藤雄太の対戦が実現するなど(松本の判定勝ち)、インテリファイターは少なくない。彼らは持ち前の頭脳を生かし、いかに戦っているのか? 自身も千葉大学大学院修士課程終了で、この系譜に連なる第11代修斗世界バンタム級王者・岡田遼に話を聞いた。

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「勉強してきたことが格闘技にも役立って、自分のキャリアですごく生きたなっていうのはメモを取る、ノートをつけるっていうことです」

 高校までサッカーをして過ごした岡田は、五味隆典vs川尻達也戦に衝撃を受け、千葉大学に進学した後、パラエストラ千葉に入門。当初からメモを取り練習していたという。

「特に松根(良太)さんと出会ってからメモとノートを取るようになりました。一番は教わったことを忘れない、記憶の定着のためです。勉強もそうですし、高校時代にアルバイトをした時、一番最初に『教わったことをメモを取れ』っていうことを教わって。アルバイトって社会に出る最初の一歩みたいな感じだと思いますけど、いろんな大人の人たちが『メモを取りなさい』ってすごく言っていたんです。実際仕事を覚えていく上で、メモを取る・取らないで仕事を覚えるスピードや定着率が違うと思ったので、そこからメモを取るようにしました」

 メモは取るだけでも記憶に効果的だが、それを見直すことでより定着率が高まる。

「松根さんはすごくディテールを深く教える指導法だったので“この人の指導を一言一句忘れたくないな”と思って、メモを取るようにしました。それで練習前に見直して。松根さんの指導はすごい面白かったし、僕はずっとサッカーをやっていてスタートが遅かったので、技術を1回教わってしっかり積み重ねていけば強くなるスピードが違ってくるだろうなっていうのがありました。実際今もそう思っているので、後輩には『技術を教えるけど、お前絶対メモれよ』って言っています」

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強い選手に共通することは?