エンゼルスの大谷翔平(写真/gettyimages)
エンゼルスの大谷翔平(写真/gettyimages)

『「タクトtv」が教える“アメリカ式”バッティング上達法』(コスミック出版)を上梓した「T-Academy」代表の菊池拓斗さん。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 単身渡米して野球のプライベートレッスンのコーチング方法を学んだ。現在はスキルコーチとして小学生からプロを目指す選手まで幅広く指導を行う。

 日米の打撃の違い、そして理想的なメカニクスの日本人選手とは?

 実際にプレーしている人はもちろん、プロ野球を観戦する際の楽しみにもなる打撃技術を教えてくれた。


~日米の最も大きな違いは打球角度に対する考え方の違い

「『フライボール革命』という理論が数年前に生まれました。従来はゴロを打つ方がヒットになりやすいと思われていましたが、フライを打ち上げる方が良いとデータが出たのは衝撃でした。『フライボール革命』が効率的であることが理解されると日本でも話題になりました。しかし、フライボール革命の『フライ』という言葉だけが一人歩きしている感じがあります。大事なのは正しく打球角度をつけることです。目標とする打球角度を理解しないといけません。ゴロ打ちに慣れている選手がフライボール革命に挑戦しても、上手くいかず諦めてしまう場合も多い。打撃メカニクスを変える必要があります」


「米国式では投球軌道にバットヘッドを下げて打ち返すことで角度をつけます。スイングは少し下から上向きになります。そしてボールの真ん中を捉えてドライブ回転気味のライナーを打ちます。従来のゴロ打ちスイングでは上からダウン気味に叩き、ボールの下を打ってバックスピンのフライになります。日米では真逆に近い考え方だとも言えます」

「バッティングの違いは野球環境の違いにもあると思います。米国のグラウンドは内野も芝が多くゴロは勢いが止まってしまいます。小さい子でもヒットを打つためには内野の頭を越さないといけないです。日本は内野が土でゴロが良く跳ねます。イレギュラーの可能性もあるので出塁につながりやすいです」

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大谷翔平らはメジャー仕様に?