参院選に選挙区から出馬すると会見で述べた山本太郎氏/撮影・今西憲之
参院選に選挙区から出馬すると会見で述べた山本太郎氏/撮影・今西憲之

 れいわ新選組の代表、山本太郎衆院議員が、4月15日午後に辞表を提出。次期参院選に、選挙区から出馬することを明らかにした。

【写真】繰り上げ当選予定の櫛渕万里氏と写る山本太郎氏

<山本太郎は本日、議員辞職します。この後、事務総長に辞表を提出し、自らのツイートでその理由を14時の記者会見でお話しします>

 15日午前11時24分、山本氏らしく、自らサプライズなつぶやきで驚かせた。

 れいわ新選組は、昨年10月の衆院選で山本氏をはじめ3議席を獲得。衆参で5議席となり、今年7月の参院選では台風の目と見られている。

 山本氏は辞職の理由について、

「なぜ衆議院をやめて参院選に出馬するのか。この参院選が終われば、黄金の3年間とも言われ、国政選挙が行われない空白期間になる可能性がある。参院選は自民党が大きく議席を減らすこともないだろう。野党が議席を大きくとることもないはず。永田町の空気を読まない、れいわ新選組が議席を増やすべきだ。落選のリスクは覚悟の上です」

 と説明した。

 当初は、比例区で出馬し、全国を駆け回るのかと見られていたが、選挙区からの出馬と断言した。

「指定席となっているような選挙区に出て崩したい。嫌われる存在として勢力を拡大させたい。今は、どこから出るかは言いません」

 前回衆院選では比例区からの出馬で、「山本太郎」という個人名ではなく、党名を書いてもらう選挙だった。参院選で選挙区となれば、個人名となる。

 れいわ新選組の次期参院選の候補者の大島九州男氏は、

「熟慮を重ねて、党勢拡大のために決断したのでしょう。山本代表自身の名前を書いてもらえるのは大きい。選挙区からの出馬となれば選挙戦も盛り上がり、れいわの大量得票も期待できます。党内では神奈川選挙区が有力と言われています」と話す。

 一方、自民党幹部はこう警戒感をにじませた。

「野党がバラバラで、よほどのスキャンダルなどがなければ参院選は勝てると踏んでいた。山本氏があっと驚く議員辞職、それも選挙区での出馬でしょ。山本氏の突破力で『れいわ旋風』が起き、それに乗じて野党に風が吹いたら、勢いづくことも考えられる。こういう展開になれば、東京都の小池百合子知事も触発されて自ら出馬ということもあるのではないか。非自民という勢力が一気に議席を伸ばすこともあり得る。これまで参院選は大丈夫という楽観ムードが一気に変わってきた。山本氏の動向いかんでは、岸田政権に大きな影響を与える」

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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「旋風起きればダメージ受けるのは自民党」