また、立憲民主党の幹部は、

「山本氏と支持基盤が重なる層が野党には多く脅威だ。東京選挙区は立憲民主党が2議席とっているがそういう選挙区に出られるとうちは厳しい」

 これまで、山本氏は、「総理大臣を目指す」と語ってきた。

 衆議院ではなく参議院ならその道は遠のくのではと見られるが。

「法律上は問題ない。それより今、国会は停滞している。静かな選挙か、体張って戦うか。叫び続ける一人になりたい」

 自民党で政務調査会の調査役を長く務めた政治評論家の田村重信さんは、山本氏の参院選の参戦についてこう分析する。

「前回の参院選で、れいわは200万票を超える得票がありました。今も経済が厳しいのは、もともとはアベノミクスの失敗だったと、政権批判の急先鋒(きゅうせんぽう)としてかなりの票をとるでしょう。野党がきつくなるとみる人が多いかもしれないが、旋風が巻き起これば、実は自民党へのダメージが一番大きい」

 一方、岸田文雄首相についてはこう考える。

「山本氏が言うように、参院選を乗り切れば岸田政権は3年ほどは安泰。首相が参院選にかける意気込みはすさまじい。狙いは東京選挙区ではないでしょうか。自民党が東京で2議席とれないとなれば、岸田政権としては負けたようにマスコミに報じられ、大きなダメージとなりかねません」

 これまでも、何かとサプライズを演出してきた山本氏。今回も台風の目となるのか。

(AERA dot.編集部 今西憲之) 

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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