■診断と治療をセットで考える時代になってきた

 近年のトピックスとして、2018年に保険承認された「FFR-CT」という検査技術がある。血管が詰まっている部位の前と後で血管内にかかる圧を測り、治療の要不要を判断する「FFR(冠血流予備量比)測定」とCT(コンピューター断層撮影)を合体したものだ。

 「従来はカテーテルを入れてFFR検査をおこなっていましたが、CT画像をコンピューターで加工することで、からだを切らずに虚血状態が観察できるようになりました」(横井医師)

 この検査技術が普及すれば、無駄な治療を回避できるようになると横井医師は強調する。

 「現在は、診断と治療をセットで考える時代になってきたといえます。低侵襲で精度の高い診断に基づいて、適切に治療を選択する病院が、いい病院だと言えるでしょう」

 木下医師も同意見だ。

 「総合的に循環器疾患のことを考えてくれるのがいい病院・医師です。PCIはあくまでも治療手段の一つと考え、いろいろな選択肢を個々の患者さんによって正しく選んでくれる病院・医師を選びましょう」

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「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/

【取材した医師】
福岡山王病院 病院長・循環器センター長 横井宏佳 医師
豊橋ハートセンター 循環器内科部長 木下順久 医師

(文/伊波達也)

週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2022』より