三幸は何度も試練を味わった苦労人だ。12年にJ2・ヴァンフォーレ甲府でプロデビューを飾ったが、右ヒザの大ケガで出場機会が減少し、14年にJ3・SC相模原に完全移籍したが左ヒザの大ケガで1年限りで退団。15年は1年間の浪人生活を送ったが、このどん底からはい上がる。16年からJ2・レノファ山口で主力として活躍。守備が課題とされていたがフィジカルを強化したことで当たり負けしなくなり、ボール奪取能力が格段に上がった。

 持ち前のパスセンスを生かし、攻守のかじ取り役を担った。20年に湘南に移籍。結果は出せなかったが、J1の舞台でプレーして得られるものは大きかっただろう。

 大宮の霜田正浩監督は山口の監督時代に三幸を中心選手として重宝していた。今季16位と下位に低迷した大宮の新戦力としてかかる期待は大きい。

 大宮に移籍が発表された先月27日。三幸はクラブの公式ホームページでコメントを発表した。

 「大宮の選手として認められるように全力で頑張ります。大宮アルディージャが本来いるべき場所は今の場所ではないと思います。共に強い大宮アルディージャを作り、多くの勝利を分かち合いましょう! よろしくお願いします」

 木下さんのサポートを受け、三幸は大宮の救世主になれるか。

(阿須間裕)