美容院で「キムタクにしてください」から25年…伊藤理佐「なぜ私は好きな男性の髪形にしたがるのか？」

　すっかりアラフィフが板についた人気漫画家・伊藤理佐さんが、夫で漫画家の吉田戦車さんと娘、猫2匹との爆笑生活を綴った「ステキな奥さん」シリーズ第4弾『ステキな奥さん ぬははっ 4』が発売されました。2020年から伊藤家にもふりかかったコロナ禍の生活……だけどやっぱりイトウ家の「笑い」は止められない！　日常のおかしみ溢れるエッセーを特別に、本書から一部抜粋してお届けします！

【伊藤理佐さんが描いたキムタクチャーハン（実在）のイラストはこちら】

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■「キムタク」から25年

「木村拓哉みたいにしてください」

　と、美容師さんに言った時、わたしは大まじめだった。20年くらい前だ。

　美容師さんはのけぞった。

「お、男でいいんですか！？」

　調べたら25年前だった。ドラマ「ロングバケーション」あたりのキムタクがカッコよくてマネしたくて、25年前つまり25歳くらいのわたしはもう一回「キムタクで」と言った。あわてた美容師さんは、

「キムタクはかっこいい、でも男だし、髪質違うし、量も違うし、顔も違うし！」

　無理～～～と、言いながらパーマもかけてくれた。もちろんキムタクにはならず「ずっと寝起き」みたいな仕上がり。そんなことがあったヨネ……と、一度思い出したのが5年くらい前だった。