日ハムの新庄監督(左)と中日の立浪監督(C)朝日新聞社
日ハムの新庄監督(左)と中日の立浪監督(C)朝日新聞社

 CSが開催されている中、一挙手一投足が注目されているのが日本ハムの新庄剛志新監督だ。11月4日の就任会見では、「試合中にインスタライブ」、「天井から選手と降りたい」など型破りなアイデアを披露。

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  スター候補の選手が現れるまで現役時代に付けていた背番号1をつけることを宣言した。翌5日には自身のツイッターを更新。「選手全員を1回はあの大歓声の1軍のグランドに立たせることをここで約束します」と来季は1、2軍の全選手に1軍出場のチャンスを与えることを宣言した。

  一方、こちらも大きな期待を背負って監督に就任した。中日の立浪和義新監督だ。現役時代は中日一筋22年間。「ミスタードラゴンズ」の愛称で絶大な人気を誇ったが、09年に現役引退以降は指導者として古巣と縁がなかった。

 13年ぶりに復帰が決まり、10月29日に行った監督就任会見では「私への期待も、ドラゴンズへの期待も、すごく大きいことはヒシヒシと感じています。強いチームをつくる、そして勝つ野球をするためには妥協はしません。皆さんの期待に応えられるよう監督として全力で頑張っていくつもりです」と力強く誓った。

 中日は低迷期が続き、変革の時期を迎えている。立浪体制で「茶髪、長髪、ひげ禁止」を選手やチームスタッフに通達。「今の時代にあまり規制をかけるというのは良くないことかもしれませんが、やはりスポーツ選手はスポーツマンらしく、ファンの皆様も見ていますし、髪型にしても、そういったことも含めてきちっとした形でスタートしようかなと思っています」とその意図を語っている。

 スター選手の誕生を望み、派手で華やかな新庄監督と、身だしなみを整えることから選手の意識を変えて勝利に徹することを誓った立浪監督。両監督のスタンスは対照的に見えるが、スポーツ紙記者は「2人の目指す方向性は似ていると思います」と分析する。

「新庄監督は就任会見で『優勝なんか一切、目指しません』と発言したことが話題になりましたが、その真意として、高い目標を持ちすぎると、選手がうまくいかないという持論を展開している。1日1日の積み重ねでシーズン終盤に優勝争いを目指すというビジョンは理にかなっています。立浪監督は厳しいイメージがあるかもしれませんが、話が非常に面白く遊び心を持っている。実は立浪監督も就任会見で新庄監督と同様に目標を聞かれた時、『優勝』という言葉を使っていません。現状を認識した上で、土台を作り上げて強いチームを作ることを志している」

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「契約は1年でいい」と新庄監督