政府資料から抜粋
政府資料から抜粋

 演説では、経済対策としてマイナンバーカードを持っている人に電子マネーとして使えるポイントを一人一律3万円付与する施策の実現や、0歳から高校3年生まですべての子どもたちに「未来応援給付」を届けるなどと主張した。

 生活者目線を重視する公明党らしい演説でもあるが、政府資料の分析では

「堅実な政策を理路整然と語るも、自党支援者向けのアピールに終始」

「経済対策や子ども対策については、実現可能性の低いバラマキ型事業のPRが中心」

 などとバラマキであると厳しく見ている。

●国会で中心プレーヤー不在の維新

 そして今回、大躍進し、自民党が連立を組む公明党の議席を超した日本維新の会はどうか。

「なんでも反対ばかりの立憲民主じゃダメ。感染が増えてきたら吉村が悪いんだとか言っていましたよ、立憲民主党の代表。名前いいませんけど、枝野さん。じゃあ、立憲民主党は大阪のために何をしてくれたんですか、立憲民主党は国のために何をしたんですか、辻元清美さんは何をしたんですか」

 10月30日、大阪市の南海難波駅前で、日本維新の会副代表の吉村洋文大阪府知事は、立憲の枝野代表、大阪10区から出馬していた辻元氏を名指しで批判。集まった聴衆からは歓声と拍手が上がった。

 吉村氏の演説は約20分だった。政府資料によると、その内容は、「檄(自民党に一泡吹かせる)」8%、「大阪の実績アピール」46%、「改革の連呼」21%、「他党・政府批判」25%となっており、一番、攻撃的だった。

 維新の公約では「消費税のみならず所得税・法人税を減税する『フロー大減税』を断行」「日本の競争力を高める規制改革を実施」などを掲げているが、吉村氏から政策の話は出てこなかった。他の政党の党首らの演説には「コロナ対策」、「経済対策」などが一定の割合で語られている中で、この姿勢は「異質」だ。

 政府資料の分析では

「橋下時代の大阪での実績のアピールに終始し、大阪での施策の全国展開を主張」

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立憲・枝野代表の言葉はパワーワードとして有権者に刺さらず