政府資料から抜粋
政府資料から抜粋

「枝野幸男氏、辻元清美氏など、具体的な人物名を挙げて、激しい他党批判や個人攻撃を展開」

「『改革』というワードを連呼も、その中身は『経済成長』『民間に任せる』という抽象論のみ」

「大阪のコロナ対策は全国的に最低水準であり、主要政党の中で唯一コロナ対策に言及なし」

 と厳しい評価が並ぶ。

 前出の岡さんはこう見る。

「コロナ対策はアピールできる成果が少なく、話さなかったのでしょう。しかし、吉村さんは大阪の人に大阪の話、大阪の未来を語りながら、国会議員を批判して、それだけで支持を集めている。独特なポジションを確立しています」

 今回の衆院選では大躍進した維新だが、国会でも存在感を見せられるかは不透明感が漂う。岡さんはこう指摘する。
「吉村さんは国会議員ではないので、維新は国会でどう存在感を出していくかが課題ですね。共同代表の片山虎之助参議員がよく出てきますが、政府との対決姿勢がなく、質問もマニアックな印象です。国会で中心的なプレーヤーになる人材がいません」

 維新以外の野党の方はどうか。

 立憲民主党の枝野幸男代表の演説は「自己紹介」10%、「コロナ対策」24%、「自民党批判」8%、「経済対策」37%、「子ども政策」7%、「投票呼びかけ」14%といった内容だった。

 政府資料では

「与党の政策との違いを丁寧に説明しつつ、政権批判も織り交ぜながら、説得力のある演説」

 と評価されながらも、

「バランスよく各政策に触れているものの、いずれの対策も財源の担保がなく実行可能性低」

「『変えよう』というフレーズを多用するも、パワーワードとして有権者に刺さらず」

 と全体的には辛めの評価だった。

 日本共産党の志位和夫委員長の演説は「挨拶」15%、「自公批判」12%、「コロナ対策」17%、「新自由主義批判」15%、「環境」13%、「ジェンダー」15%、「平和」4%、「政権交代呼びかけ」4%だった。

立憲民主党代表の枝野幸男氏(左)と日本共産党委員長の志位和夫氏(C)朝日新聞社
立憲民主党代表の枝野幸男氏(左)と日本共産党委員長の志位和夫氏(C)朝日新聞社
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