巨人・原辰徳監督 (c)朝日新聞社
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 巨人のCS進出が楽観視できる状況でなくなった。4位の広島が17日の阪神戦で4-2と快勝し、3位・巨人と最大15あったゲーム差は2.5まで接近した。

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「広島は最近10試合で9勝1敗。投打ががっちりかみ合い、今セリーグで一番強いチームでしょう。一方、巨人は引き分けを挟んで2006年6月以来15年ぶりの10連敗中。最大貯金あった15が借金2と大失速している。残り試合は広島が7試合、巨人が4試合。まだ巨人が有利な状況は変わりませんが、勢いは完全に広島です。このまま勝ち続ければ逆転でCS進出する可能性は十分にある」(スポーツ紙デスク)

 巨人の痛手はエース・菅野智之が不調だった前半戦に2本柱で稼働していた高橋優貴、戸郷翔征が勝てなくなったことだ。高橋はチームトップの11勝をマークしているが、その内容は前半戦が9勝3敗に対し、後半戦以降は2勝6敗と大きく負け越し。16日の広島戦は1回持たず6安打4失点KOで降板した。戸郷も6月まで8勝3敗と最多勝を狙えるペースで白星を重ねていたが、7月以降は1勝4敗。ただ、起用法にも疑問が残る。8月以降は中6日だった登板間隔が中4、5日に縮まったことで、明らかに両投手の球威が落ちた。共に直球を生命線に投球を組み立てるだけに、精度が高いとは言えない変化球でかわす配球では限界がある。相手打線に捉えられているのは必然だろう。 

「先発陣に奮起を促している宮本和知投手チーフコーチの責任も問われると思います。現役時代に先発をやっていたから、登板間隔が1日短くなることがどれだけ体に負担がかかるか分かるはず。シーズン当初からの方針で先発陣が中5日で登板していたならともかく、夏場の暑い時期から登板間隔を狭められてもシーズン最後まで体がもたない。高橋、戸郷は白星が伸びていないがかわいそうな部分があります」(スポーツ紙遊軍記者)

 原監督が第3次政権で就任した19年。コーチ人事の目玉として注目されたのが、宮本投手チーフコーチ(当時1軍投手総合コーチ)と元木大介ヘッドコーチ(当時一軍内野守備兼打撃コーチ)だった。両コーチは引退後、明るいキャラクターとトーク力を生かしてタレントとして活躍していた。宮本コーチは現役引退以来22年ぶり、元木コーチも13年ぶりの球界復帰に驚きの声が多かったが、選手とのコミュニケーション能力が高く、個々の能力を引き出す手腕を発揮。19、20年のリーグ連覇で評価が高まった。

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