引退を決意した日本ハムの斎藤佑樹(c)朝日新聞社
引退を決意した日本ハムの斎藤佑樹(c)朝日新聞社

「ハンカチ王子」がマウンドを去る――。日本ハムは1日、斎藤佑樹投手が現役引退することを発表した。

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 「度重なる故障で2018年から未勝利が続いていた。本人は以前から引退が脳裏をよぎっていたと思います。近年はオフに若手が戦力外通告になり、斎藤が契約を結んで現役続行することに批判的な声が多かった。本人の耳にも当然入っていたでしょう。それでも11年間プレーしたのは野球が好きだったから。度重なる故障で満足に投げられず、苦しかった時期の方が長かったと思います。重圧からも解放されたと思うのでゆっくり休んでほしいですね」(テレビ関係者)

  1軍で投げなくても話題になる。斎藤自身は本意ではなかっただろう。それはアマチュア時代の輝きがまばゆかったからに他ならない。早実高で06年夏の甲子園、決勝再試合の末に駒大苫小牧高・田中将大(現楽天)との投げ合いを制して全国制覇を達成。マウンド上でタオルを取り出し、端正な顔の汗をぬぐう姿が話題となり、「ハンカチ王子」の異名で社会現象になった。

  早大に進学すると六大学史上6人目の通算30勝、300奪三振を達成。4球団競合のドラフト1位で日本ハムに入団した。田中に負けない注目度だったが、プロの世界は残酷だった。新人の11年に挙げた6勝が自己最多で、13年には右肩関節唇損傷が発覚。野球生命を脅かす故障がその後に大きく影響した。フォームが固まらず、試行錯誤を続けたが光が見えない。18年から3年連続未勝利とファーム暮らしが長く続き、昨年10月に右肘の内側側副じん帯断裂と診断された。自身の血液から血小板を取り出し、患部に注射する再生療法「PRP療法」を選択し、今季途中に2軍で実戦復帰したが、11試合で3勝1敗、防御率5.63。直球は120キロ台で痛打を浴びる姿が痛々しかった。

  報道によると、現役引退を決断した斎藤は球団を通じて「今シーズン限りでの引退を決断いたしました。ご期待に沿うような成績を残すことができませんでしたが、最後まで応援してくださったファンの方々、本当にありがとうございました。約11年間、北海道日本ハムファイターズで最高の仲間とプレーすることができて幸せでした」とのコメントを発表したという。

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