慢性腎臓病があるとコロナが重症化しやすい理由について、土谷医師は、

 の四つを挙げる。

「(1)の尿毒症は腎機能の低下によって、排泄されるべき水分やさまざまな老廃物が血液中にたまることです。慢性腎臓病が進行して尿毒症が悪化すると、感染の防御を担う免疫細胞の働きが低下し、病原菌に感染しやすくなるので、コロナウイルスにも当然、感染しやすい。また、ウイルスがからだに入ってきたときに、戦うのが難しくなる可能性があります。(2)については、慢性腎臓病の人は動脈硬化が進みやすいことが関係しています。コロナになると血管炎や血栓症、脳梗塞など血管系の合併症が起こりやすいといわれており、血管が脆弱(ぜいじゃく)な慢性腎臓病の患者さんはリスクが高い。もちろん、コロナになると腎機能自体も悪くなります」(土谷医師)

(3)については、糖尿病があると影響が特に大きい。

 慢性腎臓病の人はもともと糖尿病があり、それがきっかけで腎機能が悪化したケースが最も多い(糖尿病性腎臓病という)。日本透析医学会の調査によれば、2019年の新規透析導入者3万8556人の原因疾患のうち、トップはこの病気だ(男性44.3%、女性35.5%)。

 糖尿病で血糖コントロールが悪い人は白血球など免疫にかかわる細胞の働きが低下している。動脈硬化とあいまって、壊疽(えそ)を起こすことがあるのもこのためだ。

「(4)の高齢者が多いという点は、慢性腎臓病の人がコロナになったときの重症化を断トツに押し上げている要因だと思います。透析に至る慢性腎臓病の患者さんの平均年齢は70歳ですからね」(同)

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