一方、梅野は13年ドラフト4位で福岡大から阪神に入団し、1年目の14年から92試合に出場。「梅ちゃんバズーカ」と呼ばれる強肩と捕球技術は球界屈指で、18年から3年連続ゴールデングラブ賞を獲得している。チャンスに強い打撃も評価が高く、今や攻守に欠かせない存在だ。

「一番は大きなケガもなく、強い体に生んで育ててくれた親に感謝しています。また、チームメイトや体のケアなど、周りの方々の支えがあったからこそ、この日を迎えられたと思います」(梅野/5月13日)

 FA権獲得時はチームも首位を独走している時期だったが、浮かれることなく謙虚なコメントを残した。

「打てて守れる捕手。阪神の大黒柱であり流出してしまった場合の損失は計り知れない。阪神は多くのFA選手を破格条件で獲得しているが、それに劣らない条件提示をするだろう。捕手出身で重要性を誰より感じている矢野燿大監督が自ら説得に名乗り出るはずで、残留が基本線と見られています」(阪神担当記者)

 広島はローテーション投手の九里亜蓮が同じく国内FA権を獲得している。森下暢仁など若手も育っているが、大瀬良と九里の両投手残留が今後のチーム編成を大きく左右する。梅野もこれまでは併用されるケースも見かけたが今季は正捕手として固定された。センターラインの核ができたことでチームの安定感が高まったのは間違いない。両球団とも、“代えの効かない”選手に対して最大限の誠意を持って交渉に当たるはずだ。

「大瀬良、梅野ともに残留が濃厚です。大瀬良は2度日本シリーズ(16年日本ハム、18年ソフトバンク)で敗れており、広島での日本一にこだわりがある。梅野もドラフト4位から育ててくれた阪神球団に恩義があり、関西地区にも愛着を感じている。2人ともハートでプレーする選手なので余程のことがない限り移籍はない。しかし生まれ育った地元・九州のソフトバンクが誠意を尽くし最高条件を用意すればわからない」(在京テレビ局スポーツ担当)

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今季不調のソフトバンクが動く?