「笑ってはいけない」 シリーズ発案者の松本人志がたどり着いた真理とは?

道理で笑える ラリー遠田

2021/09/25 11:30

ダウンタウン(C)朝日新聞社
ダウンタウン(C)朝日新聞社

 テレビの世界で年末の風物詩と言えば、大みそかに放送される『NHK紅白歌合戦』である。テレビを見る人が減っていると言われている昨今でも、コンスタントに30~40%台の視聴率を獲得している大人気番組だ。

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 一方、そんな『紅白』に負けないくらいの存在感を誇っているのが、日本テレビの『笑ってはいけない』シリーズだ。2006年以降、『紅白』の裏で真っ向勝負をして、同時間帯で民放ナンバーワンの視聴率を誇る人気番組として定着した。

 企画内容は、ただ底抜けに馬鹿馬鹿しい笑いを提供するのみ。ためになる情報も泣かせる要素も一切なく、年またぎの瞬間のカウントダウンすらない。

 9月20日、そんな『笑ってはいけない』が今年は休止となることが発表された。その代わりに新しいコンセプトの6時間のお笑い番組が放送されることになる。

 8月には、BPO(放送倫理・番組向上機構)の青少年委員会が、痛みを伴うことを笑いの対象とする番組について審議対象とすることを明らかにしていた。これが報じられたとき、「『笑ってはいけない』の存続も危ういのではないか」などと噂されていた。

 直接の因果関係は不明だが、たとえBPOの件がなかったとしても、体を張るような笑いについて世間の目がどんどん厳しくなっているという状況はあった。

 芸人が尻を叩かれたりビンタをされたりするのが恒例になっている『笑ってはいけない』シリーズは、遅かれ早かれ問題視されて、番組が続けられなくなっていたかもしれない。そうなる前に余力を残した状態で終了させるというのは、ある意味で賢明な判断であるとも言える。

『笑ってはいけない』シリーズが大ヒットした最大の理由は、企画のフォーマットがよくできていることだ。この番組では、ダウンタウンの松本人志と浜田雅功、ココリコの遠藤章造と田中直樹、月亭方正のレギュラー陣5人が、1つの空間に閉じ込められる。

 そんな彼らのもとに次々と「笑いの刺客」が襲いかかり、あの手この手で彼らを笑わせようとする。笑ってしまったら、そのたびに罰として尻を棒で叩かれる羽目になる。

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