さらに「2021年春から秋には実用化を」とも言った。だが、日本で供給されているワクチンはファイザー、モデルナ、アストラゼネカとすべて欧米からのものだ。「大阪発」のワクチンはニュースにもならなくなった。

 また、同年8月、吉村氏は大阪府の医療機関の研究で「ウソのような本当の話。ポビドンヨードを含むうがい薬に、新型コロナウイルスの減少する効果がみられる」と発表した。新型コロナウイルスの予防になるとたちまち、うがい薬は店頭から消え、メーカーの株価は激しく動いた。だが、今はうがい薬も話題にならなくなった。

「トップダウンで決めることがあってもいい。だが、コロナのような専門的知見が要求されるものは別です。正直、もっと周囲に相談してほしい。吉村氏が打ちあげ花火をあげるごとに右往左往するのは事務方なんで…」(同前)

 記者会見(13日)で記者の質問に「僕が言うとパッと広がってしまうので…」と答えた吉村氏。トラブルなく大規模医療施設が無事に稼働することを祈るばかりだ。

(AERAdot.編集部 今西憲之)