総裁選の対応で迷走する二階幹事長(C)朝日新聞社
総裁選の対応で迷走する二階幹事長(C)朝日新聞社

右上から岸田文雄氏、石破茂氏、河野太郎氏、右下は高市早苗氏、野田聖子氏(C)朝日新聞社
右上から岸田文雄氏、石破茂氏、河野太郎氏、右下は高市早苗氏、野田聖子氏(C)朝日新聞社

「うちはどうなるんだろう」

【アンケート結果】テレビを見ていて信用できないと思う人1位は?

 こう漏らしたのは、二階派の国会議員だ。
昨年9月の自民党総裁選では、真っ先に菅義偉首相の立候補を後押ししてキングメーカーとなった二階俊博幹事長。だが、今回の総裁選では存在感を示せない状況だ。

 岸田派会長の岸田文雄元外相、高市早苗前総務相、河野太郎ワクチン担当相の3人がすでに出馬表明している。だが、二階派はまだ誰を推すか態度をハッキリさせていない。

 菅首相の退任表明後、二階氏が接触したのは元幹事長の石破茂衆院議員だ。総裁選に意欲を燃やす石破氏はグループだけでは推薦人確保が難しく、二階幹事長に支援を要請した。

「二階氏がサポートを打診し、石破氏もありがたいお話だと応じたそうです。今回は石破推しと聞いていた」(前出・二階派の国会議員)

 しかし、河野氏が出馬表明し、石破氏のグループが揺れ、平将明衆院議員らが河野氏支援を表明した。総裁選に出馬するための推薦人は20人必要だ。石破氏のグループは全員で17人、ただでさえ足りなかったのに、さらに窮することになった。石破氏のグループの国会議員は、天を仰ぐ。

「河野氏出馬で石破派の議員7人ほどが出てしまった。これまで安倍、菅政権で徹底的に干されて大臣の椅子もなかなかまわってこない。残ったのは10人ほど。これで立候補となった場合、推薦人の半分を二階派に頭を下げて借りる形になる。石破氏はプライドが高いですからね。河野氏と政策協定を結んで総裁選は出馬しないとグズグズ言い出している」

 だが、河野氏の陣営は石破氏との連携については、こう突き放す。

「河野氏は所属する派閥のボス、麻生太郎副総理兼財務相とその盟友である安倍晋三前首相に軸足を置いて出馬表明している。2人が嫌って遠ざけている石破氏と政策協定を結んでも意味がないでしょう。勝手連で応援してくれるならいいかな」

 石破氏が不出馬という情報もあり、二階派もますます対応に苦慮している。

次のページ
野田聖子幹事長代行も難航