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8月22日に投開票が行われる横浜市長選がとんでもない展開になってきた。8人の候補者が出馬しているが、菅義偉首相の「盟友」、小此木八郎前国家公安委員長(56)と立憲民主党が推薦する横浜市立大学教授だった山中竹春氏(48)の一騎打ちの様相となってきた。
当初、菅首相のお膝元でもある横浜市で圧倒的な知名度、強固な地盤を誇る小此木氏が楽勝かと誰もがみていた。しかし、マスコミなどの世論調査、期日前投票の出口調査では、山中氏が先行。小此木氏が追う展開になっている。
「まったくの想定外の展開だ」
小此木氏の支援に入った自民党の国会議員はこう愚痴る。世論調査や期日前投票の出口調査をみると、なんと菅首相の地盤である衆院神奈川2区(横浜市)でも小此木氏が苦戦。現職の林文子氏(75)、山中氏が優勢という数字が出たという。
菅首相は7月下旬に地元の横浜市内で配布されたタウン誌で小此木氏支援を表明。市長選レベルで首相が支持を明確にするのは異例中の異例。さらに菅首相は有権者に「衆議院議員 菅義偉」の名義で小此木氏を支持する文書を送付する力の入れようだった。
「小此木氏は自民党支持層をまだまだ固められていないようです。菅首相の地盤でもリードされていると聞き、本人はイライラし、居ても立ってもいられない様子です。自分が前面に出て応援に駆け付ければ、勝てるといまだに思い込んでいるようです。このこと自体、世論の空気を読めていない証左だと思います。横浜市長選で負けたら首相は本当にヤバい。期日前投票で山中さんが上回っているのはやむを得ないとしても、自民党支持層を固められないというのは、自民党の伝統的な集票機能が不全状態に陥っている裏返しです。秋の衆院選を見据えると深刻な事態と思います」(政府関係者)
横浜市長選の最大の争点はIR誘致の賛否だった。しかし、東京五輪が終わり、お祭りムードが消えると市民の関心事は新型コロナウイルスの感染拡大に移行。自民党の横浜市議がこう言う。