例えば、韓国だったら、世界に通用するエンタメで今ならBTSがいますよね。おそらくもし韓国の開会式もしくは閉会式だったらBTSは出してきます。これまでに韓国は何をやってきたかと言うと、国策としてエンターテインメントに力を入れてきた。音楽業界だけでなく映画業界も。何年もやってきて成果が出てきているわけでしょ? BTSが生まれ、映画界ではアカデミー賞をとることもできた。何年も経って、結果が出てきている。

 エンタメと言えば、お笑いは世界と比較して日本は面白いと自負しているところもある。日本の漫才とか日本のバラエティ番組の作りは面白いと思うんですが、面白いと思っていることで逆ガラパゴス化したのでは? 日本の中で面白い、楽しいと思っている事が、いやどうも世界とは違ってきているっていう現象が実は起きているのではないか? 実際、日本の中でも若い世代のテレビ離れが起きていたりもしている。

 何十年もこの国のエンタメは遅れていたのではなかろうか? 思い起こせば、長野五輪の開会式もたたかれていた。そこから、また時間が経ってもこの状況。アジア人は世界に通用するエンターテインメントになじまないという言い訳はできなくなっている。なぜなら、BTSが出てきてしまったから。もちろん、BTS以前にも「江南スタイル」のPSYも成功している。今後、エンターテインメントを国としてどうしていくか?

 日本人にできないのか? そうではなくて、どこまで、どう力を入れて、みんなで応援してきたか? ですよね。学校生活で例えると“運動部”の五輪は今回一生懸命取り組んできたけど、“文化部”のことを何もやってないから。前にも言ったけど、このコロナ禍で、演劇や映画や音楽やお笑いのライブなどのエンタメを担う“文化部”のものの多くはあおりを食らっているわけだし。運動部はたくさん金メダルを取って“イエーイ!”って言いてるけど、文化部は!? って、特に閉会式を観てわかった。

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閉会式は全部フランスからの映像に持っていかれた!