米国戦に先発予定の田中将大(c)朝日新聞社
米国戦に先発予定の田中将大(c)朝日新聞社

 東京五輪で侍ジャパンが1次リーグで2連勝を飾り、決勝トーナメントに進出。今日2日に米国と対戦する。

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 初戦のドミニカ共和国戦で2点差をひっくり返す逆転サヨナラ勝ちを飾り、2戦目も山田哲人が3ランを放つなど序盤から得点を重ね、メキシコに7-4で快勝した。投打で豪華な陣容に加えてチームの雰囲気の良さが伝わってくるが、テレビ関係者は渋い表情を浮かべる。

「正直、あまり盛り上がっているとは言えないんですよね…。出場国が6カ国と少ないのに加え、日本と韓国以外は代表チームがフルメンバーから程遠く、力の差が否めない。各国の主力がメジャーリーグでプレーしているので不参加なのは仕方ないのですが…。また、ダブルエリミネーション方式で、勝ち上がり方が複雑なのも盛り上がらない原因の一つだと思います。3敗しても金メダルになる可能性があるので、試合に今一つ緊迫感が感じられない。侍ジャパンが金メダルを獲得しても柔道、卓球、スケートボードに比べて反響は少ないように感じます」

 2008年の北京五輪以来13年ぶりに、野球が東京五輪で競技種目になったが、サッカー、バスケットなどに比べると世界的に競技人口が少ない。今回は新型コロナウイルスの影響で、台湾、中国、豪州が大会の予選を出場辞退。最高峰のメジャーリーガーの選手たちも出場していない。「世界一を決める大会」という枕詞がピンとこないのは致し方ないだろう。

 スポーツ紙記者は「プロが00年のシドニー五輪から参加するようになりましたが、正直アマチュアだけの時の方が盛り上がった気がします。アマチュアの選手たちは五輪出場を大きなモチベーションにしてきたし、プロ入りを拒否して金メダルを目指した選手もいました。もちろんプロの選手の方が能力は高いのですが、アマチュアの選手の出場しか認められなかった過去の五輪の方が熱気があった。今はプロの選手が参加できる国際大会でWBCがある。プロが参加する五輪の金メダルに意義を見いだせないのが実情だと思います」と分析する。

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