フランス戦で先制点を決めた久保建英(C)朝日新聞社
フランス戦で先制点を決めた久保建英(C)朝日新聞社

 男子サッカーU-24日本代表が強い。混戦が予想されたグループAで、初戦のU-24南アフリカ代表に1-0で白星発進。2戦目の優勝候補・U-24メキシコ代表を2-1で撃破すると、U-24フランス代表にも4-0で圧勝した。3連勝でリーグ突破したのは、出場国で日本のみだった。

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 準々決勝が7月31日に行われ、日本代表とU-24ニュージーランド代表が対戦。延長戦でも互いにゴールは生まれず、日本がPKを連続して成功させ、PK戦を制してベスト4に進出した。準決勝は8月3日に行われ、日本はU-24スペイン代表と対戦する。

「吉田麻也、遠藤航、酒井宏樹のオーバーエイジの3人の存在が大きいです。エジプトもディフェンスが良いチームですが、強固な守備は日本が今大会№1ではないでしょうか。久保建英、堂安律、上田綺世、林大地など攻撃陣も前線から走り続けて相手にプレッシャーをかけている。守備に対する高い意識が強さの源になっています。足元の技術が高いし、スピードのある選手がそろっている。金メダルを獲得しても決して不思議ではないし、できる力を持っているチームだと思います」(スポーツ紙サッカー担当記者)

 ベスト8に勝ち上がったチームの顔ぶれを見ると意外に感じるかもしれない。日本、メキシコ、韓国、ニュージーランド、スペイン、エジプト、ブラジル、コートジボワールの8カ国。強豪のフランス、ドイツ、アルゼンチンが姿を消した。番狂わせに見えるが、欧州駐在の通信員は「妥当な結果だと思います」と断じる。

「フランス、ドイツ、アルゼンチンのメンバーを見ると実質2軍です。サッカーのカレンダーを見ると、ユーロや南米選手権を終えて本来なら休暇の時期なんです。各国の主軸として期待されたスター選手がメンバーから外れたのは水面下で代表の招集を断ったり、疲労や故障のリスクを懸念してクラブから出場許可が得られなかった。五輪はFIFAの国際大会のように代表に拘束力があるわけではない。南米や欧州ではサッカーの大会で五輪の位置づけは低く、本気度は高くありません。あと勝ち上がったチームを見ると、きっちり準備をして、徹底的に分析した上で相手の良さを消している。勢いや運ではなく、実力で勝ち上がってきたと思います」

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