国立競技場(c)朝日新聞社
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9自治体への電話調査への結果
9自治体への電話調査への結果

 東京五輪・パラリンピックに、会場のある自治体で5万人以上の児童・生徒らが会場で観戦を予定していることが、AERAdot.編集部の調べでわかった。新型コロナウイルスの感染拡大で計画を見送る自治体が相次ぐ一方で、教育的意義を訴える自治体もある。

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 東京五輪・パラリンピックでは、大会組織委員会が児童・生徒らに観戦の機会を提供するため、特別価格でチケットを提供する「学校連携観戦プログラム」が用意されている。チケットは学校単位で購入する。五輪やパラの競技会場がある東京都、北海道、宮城県、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県の九つの自治体または教育委員会に、プログラムへの参加の有無と、チケットの購入予定枚数を電話でたずねた。

 結果は、宮城は五輪が187枚にパラが80枚、茨城は五輪4007枚にパラはゼロ、埼玉は五輪ゼロにパラ1816枚、千葉は五輪ゼロにパラ約39000枚、神奈川は五輪ゼロにパラ1003枚、静岡が五輪とパラの合計で5680枚、北海道と福島はいずれもゼロで、東京は五輪ゼロにパラが調査中だった。九つの自治体の五輪とパラ合わせたチケット購入枚数を合計すると、5万枚以上。現時点で、それだけの規模の児童・生徒の観戦を予定しているということだ。

 このように、それぞれの自治体で対応は分かれている。組織委や国際オリンピック委員会などの5者協議の結果、五輪に関して東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県では無観客開催になったことを受けて、それらの自治体では五輪の児童・生徒らの学校連携観戦もなくなった。他方でパラについては現時点で中止せず、参加予定だという。
 
 五輪、パラの両方とも学校連携観戦に参加すると回答したのは、宮城、静岡の2県。この2県は、五輪の有観客開催が決定している。宮城県では五輪のサッカー、静岡県は五輪の自転車MBTと自転車ロードの2競技が開催される。

 宮城県オリンピック・パラリンピック大会推進課の担当者は、次のように話す。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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