東京五輪・パラリンピックの名誉総裁を務める天皇陛下が開会式に出席する方向で調整が進む中、「天皇陛下は憲法で国民の統合の象徴だ。国論を二分している五輪に、天皇陛下にお出ましいただくことをお願いしてよいのか」と発言し、物議を醸しているのは、島根県の丸山達也知事だ。
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12日から東京に4度目の緊急事態宣言が出されることが決まり、政府や大会組織委員会などは8日、1都3県の会場は無観客とすることを決めた。丸山知事は感染拡大を防げなかった責任があるとして、「組織委員会、政府、東京都は開会宣言をお願いできる立場なのか」と疑問を呈した。
「陛下は政治的なご判断をされない立場。周りが考え、取り下げるべきことを考えなければ…」「私が橋本会長の立場なら取り下げます」などと訴えた。
五輪憲章は五輪の開会宣言は開催国の元首が読み上げると規定している。1964年東京五輪、72年札幌冬季五輪では昭和天皇が、98年の長野冬季五輪では当時天皇だった上皇さまが開会を宣言している。
この日(9日)の記者会見で丸山知事は冒頭から、東京五輪・パラリンピックの話題に触れ、激しく菅義偉首相、東京都、組織委の批判を展開。
「東京都は毎週、雁首そろえてモニタリング会議、政府は感染症専門家をそろえて分科会をやっている。(コロナ感染者が)なんで減らないのか?」
「政府が大きな間違いしている。(当初は有観客で)上限1万人、加えて大会関係者は別枠でやるという。これは詭弁、二枚舌。感染抑制の立場なのに、東京都も異議を言わなかった」
そして話題は7月4日投開票の東京都議会議員選挙にも及んだ。
「(退院後の7月2日の記者会見で)小池知事は椅子に座っていたが、声や足元は弱々しい。それが一夜明けてスタスタ事務所を回られて、歩かれて都知事はここなり。すごい回復力、疲労回復に効く秘訣を聞きたい」と皮肉。さらには「結果は自民党と公明党のコロナ対応、五輪対応の批判が出たということだ」と持論を展開した。