変異株についての質問に医者からは驚きの答えが…。写真はイメージ(Getty Images)
変異株についての質問に医者からは驚きの答えが…。写真はイメージ(Getty Images)
自宅に届いた「自宅療養者用」の大量の食料(撮影/國府田英之)
自宅に届いた「自宅療養者用」の大量の食料(撮影/國府田英之)

 6月27日の朝、いきなり嗅覚がなくなり、食べ物や柔軟剤の香りすら感じらない「無臭」の世界が始まった。翌日、病院で検査を受けたところ、新型コロナウイルスの感染が判明したのだが、驚いたのは「変異株ですか?」と質問した医師の回答だった。その驚きの内容とは――。

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「コロナ感染で記者に突然訪れた『無臭』の日々 納豆も生ニンニクも柔軟剤も…『におわない』という恐怖」より続く

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 6月28日。朝起きて、さあ治ったか、とインスタントコーヒーの瓶を開けたが、前日と変わらず香りがしない。他の食べ物の匂いを嗅いでも一切分からない。熱は36度台で、くしゃみと鼻水、ほんの少しの頭痛がするだけ。筋肉痛もやわらいだ。ただ、一切の匂いが分からないこの状態は異常としか思えなかった。

 職場に状況を伝えた後、近所の小さな診療所に電話をかけて症状を伝えると、すぐに来院してくださいとの指示があった。

 ちなみに、筆者は数年に一度、風邪をひくかどうかで医療機関にめったに行かないため、かかりつけの医者はいない。ただ、この診療所は以前に妻がワクチン注射を受けに週3回ほど通っており、その付き添いで筆者もなじみがあった。この経験がなければ、医療機関と縁遠い筆者は、どこに電話すれば良いかわからず、右往左往していただろう。万が一の時、自分のことを知ってくれている「かかりつけ医」の存在は重要だと強く認識する。

 診療所の医師から、検査を勧められ病院への紹介状を書いてもらった。紹介された病院の電話は混みあっており、予約できるまで約90分、何回も電話かけた。発熱など、症状が重い人はとても辛い時間になるだろうと想像する。

 紹介された病院では、まず検体の採取をされた。鼻腔を綿棒でぐりぐりされてから結果が分かるまでは、1時間半ほどだったと思う。肺のCT検査を受けた後、医師から伝えられたのは「コロナウイルス陽性」だということ。熱はなく、肺の状態も良いため無症状に近く、入院する必要はないとのことだった。今後の療養先は筆者と保健所が相談し、ホテルか自宅かが決まるそうだ。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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変異株かどうかは「調べていない」