「すでに、成功体験もあります。例えば、昨年は検察官の定年延長を可能にしようとした検察庁法改正案を押し戻す力になりました。今年でいえば、森前組織委員会会長が女性蔑視発言をした時に、2週間弱で約15万人もの抗議署名が集まりましたし、入管法改正案に反対する署名もオンラインでした。オンライン上の活動に成功体験が積み重なってきたことからも、政権が無視できなくなってきていることは確かです」

 宇都宮さんは、署名を携えた再度の中止を求める要請行動を検討中だ。今回、上野さんたちが始めた署名活動と連帯するかについては、こう意思を示す。

「どういう連携ができるかわかりませんが、行動はともにできたらと思います。少なくとも、いろんな方が声をあげることは非常に良いことだともいます。やはり、東京五輪は、このまま突っ走ると危険ですから」(宇都宮さん)

「安心安全」どころか、不安しかない東京五輪だが、中止を訴える声は民意としてどこまで反映されるのだろうか。

(文/AERA dot.編集部・岩下明日香)