東京五輪開幕まで1カ月切ったが、代表メンバーに内定している巨人・菅野智之の調子が一向に上がってこない。

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 1日の広島戦(東京ドーム)に登板したが、西川龍馬、鈴木誠也に140キロ台前半の直球で被弾するなど3回持たず6安打4失点KO。侍ジャパンの建山義紀投手コーチが視察に訪れたが、本来の状態に程遠くわずか32球でマウンドから姿を消した。

 常時150キロ以上を誇る直球は最速145キロ止まり。制球も甘く簡単にはじき返される。6月13日のロッテ戦(ZOZOマリン)で2回2/3投げて4失点KOを喫し、コンディションを整えるためにファームでの調整を選択したが、中17日の登板間隔を開けた今回の登板でも復調の兆しが見えなかった。

「肩か肘を痛めているのではないかと懸念するぐらい状態が悪い。下半身が使えていなく、上体だけで投げているから直球が走らず制球も高い。これだけ登板間隔を空けても直球の球速が戻らないなら、東京五輪も厳しい。今の菅野の状態だったら本大会でも起用する場面がないのが現実です。五輪では1人の投手の調子が悪いと、他の投手に負担がかかる。首脳陣と話し合って出場辞退を選択肢に入れる可能性があります。追加召集する選手のことを考えると、数日以内に東京五輪に出場するか結論を出すと思います」(スポーツ紙デスク)

 菅野は今季3度も登録抹消されている。開幕直後に脚部の違和感で戦線離脱すると、5月8日にも右肘の違和感で再び戦列を離れた。6月に戦列復帰したが、直球が140キロ台前半にとどまるなど明らかにおかしかった。6月16日に3度目の登録抹消。新人の時から先発の中心として投げ続けてきた菅野がこんなに苦しんだシーズンは見たことがない。

「4度目の正直」となった今回の登板もエースの輝きは見られなかった。4月23日の広島戦(東京ドーム)で3勝目を挙げて以来、2カ月以上も白星から遠ざかっている。

 相手球団の首脳陣は菅野についてこう分析する。

「今年は球離れが早いから見やすい感じがする。直球も全盛期の時に比べて強さがないから対応できる。体のキレもないし、本来の調子ではないよね。故障か勤続疲労かわからないけど、これだけ長年投げ続けてくれば体も万全ではないはず。どの投手にもこういうシーズンはある。今まで毎年コンスタントに結果を残してきた菅野が凄いんだよ。でも、東京五輪まであと1ヶ月と考えると、状態を取り戻すのは厳しいかな。無理をするとケガをする危険性がある。投手は打者と違って悪い時に練習すればいいというわけではない。菅野クラスになると、技術面は文句なしだからあとは体のコンディションだけ。故障しているなら患部のケアをしなければいけないし時間はかかる」

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