インターハイでは2012年に全国準優勝を果たしたが、選手権は2006年を最後に遠ざかることとなり、2018年度を最後に大山前監督が勇退。現在は名将の薫陶を受けた内野慎一郎監督が指揮を執る。そういった中で2019年の関東予選では7年ぶりの県タイトル獲得、今年度の同大会でも2大会連続で決勝に進出し準優勝した。23日に幕を閉じたインターハイ予選では伝統パスワークやサイドアタックで関東予選に続きファイナルへ。決勝でも攻撃的なサッカーを展開した中で正智深谷に敗れ8年ぶりの全国とはならなかったが、徐々に結果も出てきているだけに冬の選手権での名門復活に期待したいところだ。

●カナリア軍団が10大会ぶりのインハイ全国へ!

 また、同じ関東圏に目を向ければ東京都の帝京高校が古豪と言われる存在だ。1965年から2008年まで率いた古沼貞雄監督が一時代を築き、選手権では1974年の初優勝を機に6度の全国制覇。準優勝3回、3位も4回と1970年代から1990年代にかけて全国を席巻した。しかし近年はハイレベルな東京のトーナメントで苦戦を強いられ、全国からも遠ざかっていた。

 その名門も復活への道をたどっている。2019年には13年ぶりにプリンスリーグ関東に昇格。そして迎えた2021年。「今年の帝京は強い」と関係者の間でも下馬評が高かった中で先日のインターハイ予選準決勝で堀越高校を延長戦の末に下して10大会ぶりの全国大会出場を決めた。今夏伝統のカナリア軍団が全国の舞台に帰ってくる。(文・石黒登)

●プロフィール
石黒登/1986年生まれ。埼玉県川越市出身 フリーランス。スポーツ編集部勤務ののち、2016年より独立。埼玉サッカー通信、SAITAMA SOCCER MAGAZINEほか、footies、SOCCER MAMA、高校サッカードットコム、サッカーダイジェスト、朝日新聞 ジュニアプレス埼玉(朝日新聞 埼玉少年少女スポーツ)等にも寄稿。中学サッカー進路ナビ(solmedia)編集協力。編集部時代にはウィンタースポーツ、ゴルフ、バレーボールなども担当。